政府が外資による安全保障上重要な土地買収の実態把握に向けて閣僚会議の新設を検討しているのは、10年以上前から法整備の必要性が指摘されているにもかかわらず、対応が全く進んでいないからだ。首相をトップとし、強い姿勢を内外にアピールしたい考えだ。 「やっとここまできた。閣法(内閣提出法案)なら前に進む」。自民党ベテラン議員は、これまで同党の議論が空回りに終わっていた経緯を踏まえ、こう期待を込める。 外資による防衛施設周辺地や水源地などの買収は、約13年前に指摘され始めた。平成25年10月、自民党が「安全保障と土地法制に関する特命委員会」を設置。26、28、30年と3度にわたり議員立法を目指したが、公明党や自民党の一部に私権制限への懸念が根強く、提出に至らなかった。 議論が深まらない現状に対し、政府内では今年7月の骨太方針策定に際し、「安倍晋三内閣で解決し、レガシーにすべきだ」との考えが浮上。骨太に明記されたことで前進した。 とはいえ、専門家の間には「13年間できなかったことがすんなり進むか」との懸念もある。縦割り行政打破を掲げる「国民のために働く内閣」の本領発揮に期待がかかる。(市岡豊大)
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